【1】×:不適切
死期が近づいてくると、エネルギー補給のための食事は必要なくなり、味を楽しむ、口を潤すような食へと変化していきます。覚醒しているタイミングで、本人の意向に合わせ、食べたい物を少量摂取したり口を潤してもらうなど、無理のない範囲で提供することが望ましいでしょう。
【2】×:不適切
冷篭法ではなく、末梢を保温する温篭法を行ったり、呼吸を楽にするため上体を起こすといった対応をします。
心臓機能、呼吸機能が低下することにより全身の循環障害が起こり、酸素が不足することでチアノーゼが出現します。チアノーゼは、四肢の冷感とともに、指先や足先など末梢から出現しはじめ、死期が近づいているサインであり重要な観察の視点です。
【3】〇:適切
全身倦怠感が強いときは、エネルギーの消耗の少ない部分清拭に切り替えることは望ましい選択です。
活動が減り臥床時間が長くなりますが、全身状態の低下から発熱や発汗、排泄物による皮膚の湿潤などにより皮膚は汚れるため、清潔保持のためのケアは欠かせません。
状態に合わせて方法を選択しながら清潔を保持することは重要です。
【4】×:不適切
死期が近づいてくると傾眠傾向となり、その時間が少しずつ長くなっていきます。無理に起こす必要はありませんが、最期まで耳は聞こえているため、そばで静かに声をかけたり、心地よい音楽を流したり、家族の話し声が聞こえる環境で過こすことができると、本人の安心や安らぎとなります。
【5】×:不適切
アイスマッサージは、口腔内を刺激することで咀嚼や嚥下機能の活性化を目指すものであり、この時期の口腔内乾燥には有効とはいえません。
死期が近づくと、呼吸状態が変化するために口を開けたままの状態のことが増え、食事量が減ることから唾液分泌が減り口腔内乾燥が目立つようになります。
少量の水分や氷のかけらで口を潤すことや、こまめに口腔ケアを行うなど清潔を保つことが重要です。