【介護福祉士の実情】仕事はきつい?ブラック?やりがいを持って働くには?

【介護福祉士の実情】仕事はきつい?ブラック?やりがいを持って働くには?

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介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格ですが、その仕事内容や職場環境について「きつい・ブラックだ」というイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。

高齢化や、要介護(要支援)人口の増加などにより、介護人材が不足していることは厚生労働省の調査にも現れており、その処遇を改善する取り組みもなされていますが、現場にはまだまだ不満の声が多いのも現状です。

その実情について、弊社が介護福祉士試験合格者に対して行ったアンケートや、厚生労働省の調査を含めて解説していきます。

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介護福祉士がきついと言われる理由

介護福祉士は、介護業界での唯一の国家資格ですが、その仕事内容や職場環境は「きつい」「ブラックだ」と言われることがあります。

高齢化が進み、介護を必要とする高齢者の方は増加傾向にあり、厚生労働省の令和3年度介護保険事業状況報告によると、令和3年度末現在で要介護(要支援)認定者は約690万人と、年々増加傾向です。

この状況から介護関連職の中でも唯一の国家資格である介護福祉士の需要も引き続き高まると考えられますが、なぜ介護福祉士や介護関連の仕事はマイナスなイメージを持たれることが多いのでしょうか。

厚生労働省による介護業界についての調査も踏まえて、その理由を解説していきます。

介護福祉士がきついと言われる理由

  • 給料が安い
  • 人手不足で仕事量が多い
  • 体力が必要
  • 精神的な負担が大きい
  • スタッフ間の人間関係が良くない

それぞれみていきましょう。

給料が安い

介護福祉士は国家資格であるため、介護業界では資格手当を設けている職場も多くあります。

ただし、もともとの給料水準が低いこと、その資格手当も微々たるものであることも多く、介護福祉士の資格をとっても満足できる給料を得られない方も多いのが現状です。

人手不足が叫ばれているにも関わらず、他の国家資格や職業の平均月収と比較すると、介護福祉士の給与水準は決して高いとは言えません。

・介護福祉士:約328,720円
・行政書士:約35万円
・司法書士:約38万円
・看護師:約30万円
・薬剤師:約40万円
・歯科衛生士:約31万円
・ITエンジニア:約40万円
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省(p.182)人気職種の給料情報|給料ナビ

人手不足で仕事量が多い

介護福祉士を含む介護職においては、人手不足による多忙さも問題点として挙げられています。

厚生労働省においても、介護人材の更なる確保に関する取り組みがなされていますが、まだまだ介護の現場では人手不足により1人の職員にかかる負担が大きいのも現状です。

実際に、弊社が介護福祉士に対して行ったアンケート結果からも、人手不足による多忙や、無資格でもとにかく人材を確保する必要があるという意見などがみられました。

スタッフ間の人間関係が良くない

厚生労働省の「介護人材の確保について」によると、「過去働いていた職場を辞めた理由」として職場の人間関係の問題を挙げている人は全体の24.7%と退職理由としては3番目に多いという結果でした。

人手不足により、スタッフの質を軽視した人材採用、業務の多忙さによるスタッフの疲労、多くの施設では無資格でも働けることなど、さまざまな要因がスタッフの人間関係悪化にも影響していると考えられます。

人間関係については、入社後にしか分からない部分も多いかもしれませんが、就職活動・転職活動の際には、職場見学や説明会などを活用するのがおすすめです。

体力が必要

介護福祉士の仕事内容には、介護現場における身体介護(介護を必要とする方の身体に直接触れて行う業務)があります。

特に、介護サービスの利用者様の移動・移乗動作、更衣、排泄の援助なども行うため、腰を屈めて行う業務や、体力・筋力が必要な業務も発生します。

厚生労働省の「介護人材の確保について」によると、退職理由として「心身の不調」が22.0%で5位、「腰痛」が14.3%で7位となり、介護福祉士が抱える身体的な負担が現れているといえるでしょう。

精神的な負担が大きい

介護福祉士は体力が必要な一方で、精神的な負担を抱える方も多くいらっしゃいます。

前段で解説した「スタッフ間の人間関係の悪さ」や「体力面の負担」も結果的に精神的な負担につながる可能性が大いにあります。

また、介護サービスを利用している方の中には、認知症や精神疾患を抱えられているケースも多く、その対応にストレスを抱えてしまうこともあるようです。

認知症や精神疾患を抱えている方は、自分の意図とは裏腹に暴言を吐いたり、予想のつかない動きをされることがあり、介護職の方はより精神的負担を背負いやすくなってしまいます。

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介護福祉士にはやりがいもある!

介護福祉士の仕事がきついと言われる理由を解説してきましたが、大前提として、介護福祉士の仕事にやりがいを感じ、体力的・精神的負担を抱えることがあっても誇りを持って従事されている方がたくさんいらっしゃいます。

当社が介護福祉士の国家資格保持者に対して行ったアンケートにおいても、実際に介護福祉士で辛いと感じることはなく、やりがいを感じながら仕事をしているという声も多く得られました。

ここからは、介護福祉士のやりがいについて見ていきましょう。

  • 資格手当がもらえる
  • キャリアアップに繋がりやすい
  • 利用者やその家族に感謝してもらえる

資格手当がもらえる

前述の通り、介護福祉士の資格は介護業界では唯一の国家資格です。

よって、有資格者には資格手当を設定している職場も多くあります。

実際に弊社が介護福祉士試験合格者に対して行ったアンケートでも、資格取得によって良かったこととして「資格手当を得られた」ことを挙げている方が約半数近くいらっしゃいました。

Q”介護福祉士”試験について、資格を取得して良かった、役に立ったと思う事、エピソードをできる限り詳しく教えてください。

資格を取ると手当てが10000円増える。基本給の見直しもある。(50代男性・会社員)

介護の仕事は資格が必要ないので、取得するつもりは無かったが、将来必要になるかもしれないと思って受験した。結果、後の職場で資格手当が付いたり、時給に差があったため良かった。 (40代女性・無職)

資格手当があることも含め、介護福祉士の資格を取得していると月収が高くなることが厚生労働省の調査からも分かります。

資格月給年収換算介護福祉士との差(月給)
介護福祉士328,7203,944,640
介護職員初任者研修300,510円3,606,120円−28,210円
実務者研修307,330円3,687,960円−21,390円
保有資格なし271,260円2,607,120円−57,460円
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省(p.182)

キャリアアップに繋がりやすい

給与面でも現れているように、介護福祉士は介護業界では唯一の国家資格であるため、人手不足の介護業界では重宝される存在です。

求人の段階から介護福祉士資格を有していることを応募条件にしている介護施設や会社もあり、より質・レベルの高い業務を任せてもらえる機会も増え、自身の介護スキルの向上にも繋がりやすくなります。

また、介護福祉士の資格を取得することで、その上位に位置する「認定介護福祉士」「ケアマネージャー」などの資格や仕事へのキャリアアップにもつながり、仕事の幅を大きく増やすことができます。

認定介護福祉士やケアマネージャーの仕事は、介護福祉士よりも高い月収を得られることもあり、さらにやりがいを見つけられ、介護業界だけでなく、社会福祉・地域支援など、広い範囲で専門性を身につけられるでしょう。

利用者やその家族に感謝してもらえる

介護職は、介護施設やサービスの利用者の方、そのご家族の方と直接関わる仕事です。

時には利用者の方と意思疎通ができなかったり、ご家族の方に厳しいことを言われることもあるかもしれません。

ただしその分直接日々の生活を支援でき、利用者の方に「ありがとう」と言ってもらえたり、ご家族の方にも感謝してもらえる機会も多く、やりがいを見出しやすい仕事でもあります。

また、介護福祉士の資格を取得することで、自分のスキルや立場に自信を持て、精神的な安定も得られます。 資格があることで、利用者の方にも安心していただきやすくなることもあるでしょう。

【介護福祉士】ブラックな職場の見定め方

介護福祉士の資格をとることで、介護職におけるやりがいを感じられ、上位資格へのキャリアアップにもつながります。

しかしやはり「介護福祉士はきつい・ブラックだ」というイメージを持つ方は一定数いらっしゃるでしょう。

その原因として、介護職の仕事というよりも、介護施設などの職場側が原因となっていることも考えられます。

介護福祉士という国家資格を最大限に生かし、誇りを持って仕事をし続けるためには、職場選びも非常に重要です。 そこで最後に、介護職において、ブラックな職場の見定め方を解説していきます。

  • 人員配置基準を満たしていない
  • 常に求人が出ている
  • スタッフの雰囲気が悪い、挨拶がない

それぞれみていきましょう。

人員配置基準を満たしていない

介護保険法では、介護施設において利用者3人につき1人の介護職員の配置が必要だという人員配置基準が定められています。

参考:介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の報酬・基準|厚生労働省

人員配置基準を違反すると、その事業者は「事業の一時停止」「新規入居者の受け入れ禁止」「介護報酬の取り消し」などの処分を受けます。

介護事業者に対して3〜6年以内に1度、行政による施設への実地指導が行われますが、普段は人員が不足しているが実地指導はうまく潜り抜けているなど、グレーな部分がある施設はブラックな可能性が高いため、注意しましょう。

常に求人が出ている

介護業界では、人員不足が叫ばれていますが、常に求人が出ている施設は少し注意が必要です。

常に求人が出ている場合は、スタッフが集まらないようなブラックな労働環境であったり、働くスタッフの満足度が低く退職者も多いということが考えられます。

介護福祉士の資格を取得しようと考えられている方は、職場選びも視野に入れながら、定期的に求人サイトをチェックし、ブラックな職場を見極める目を身につけておくのもおすすめです。

スタッフの雰囲気が悪い、挨拶がない

正式に求人へ応募する前に、見学や説明会なども活用して事前に職場やスタッフの雰囲気や、運営の考え方などを質問、確認しておくようにしましょう。

特に、既存のスタッフがしっかり挨拶してくれるかどうかは、分かりやすい指標だといえます。

また、できる限り質問内容を考えておき、積極的に見学時の担当者に質問するようにしましょう。

質問に対する受け答えの仕方でも、職場の質の高さを掴むことができます。あくまでも、施設側と応募者との立場は対等ですので、職場を選ぶという感覚も重要です。

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国家資格を取得して職場を選べばやりがいは感じられる

「介護福祉士の仕事はきつい」「介護職はブラックだ」というイメージを持つ人が多いのは事実です。

ただし、介護福祉士は介護業界で唯一の国家資格であり、高齢化や要介護(要支援)人口の増加が進む日本では重宝されるべき存在です。

介護福祉士の仕事にマイナスイメージが持たれやすいのは、給与の低さや人材不足による多忙さ、体力面や精神面での負担の大きさなどが原因ですが、やりがいのある質の高い職場をこちら側から選ぶという意識も大切にしましょう。

これから介護福祉士試験の合格を目指される方は、普段から合格後の職場選びも気にかけながら、モチベーションを保ち、介護福祉士としてのやりがいや自信を持って働けるように準備しておきましょう。