介護福祉士のキャリアパスを徹底解説!【上位資格・役職UP・独立開業】

介護福祉士のキャリアパスを徹底解説!【上位資格・役職UP・独立開業】

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介護福祉士は、介護業界での国家資格である、ということは知っているものの、その後のキャリアパスについて不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

実は、介護福祉士の資格を取得した後でも、多様なキャリアパスが開かれています。

本記事では介護福祉士のキャリアパスを詳しく、わかりやすく解説していきます。資格の取得がゴールではありません。幅広い観点から介護や関連業界でのキャリアを考えることで、現状の業務にもより真摯に向き合えるようになるでしょう。

介護福祉士が活躍できる職場

介護福祉士は主に、介護サービスを提供する介護施設や訪問介護事業所に所属し、利用者の介護や介護スタッフの管理・指導などを行います。

ひとえに介護施設と言っても、介護福祉士が活躍できる場所は以下のように複数あります。

施設 施設の特徴
介護老人保健施設 要介護1以上の認定を受けた高齢者のうち、病状が安定していて入院治療が必要なくリハビリテーションを必要とする方が利用する
特別養護老人ホーム 要介護3以上の認定を受けた高齢者のうち、在宅での生活が困難であり、生活全般の介護を必要とする方が利用
介護付有料老人ホーム 民間企業24時間体制で介護を提供する 施設によって要介護や要支援などの入居条件は異なる
通所介護(デイサービス) 要介護状態となった場合においても、自宅で生活する利用者に向けて、リハビリや生活支援などを日帰りで提供する
グループホーム 知的障害者や精神障害者、認知症高齢者などが専門スタッフの支援のもと、少人数の集団で暮らす
身体障がい者療養施設 事故や病気、先天性の疾患などで身体に障害がある人のうち、日常生活での常時介護が必要な方が生活する
訪問介護事業所 利用者の自宅を訪問し、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、食事・排泄などの身体介護や、買い物・通院などの生活支援を行う。

特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームでは、24時間体制で介護サービスが提供されるため、夜勤も含めたシフト制での勤務形態となる場合が多くあります。

自分のライフスタイルや理想とする働き方に合った職場を選ぶことが重要です。

介護福祉士取得までの代表的なキャリアパスモデル

介護福祉士の国家試験には、細かく受験資格が定められていますが、無資格や未経験でも介護福祉士資格の取得を目指すことは可能です。

介護福祉士を取得するには、大きく分けて「養成施設の卒業」または「実務経験3年+実務者研修の修了」の2種類があります。

介護福祉士試験を受験するルートについては、以下の記事でもさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

特に、実務経験ルートで介護福祉士資格を取得する方が大きな割合を占めます。

未経験・無資格で取得できる「介護職員初任者研修」から始まり、実務経験を積みながら「介護福祉士実務者研修」を修了し、国家試験を受けて介護福祉士を取得するというのが、代表的なキャリアパスモデルです。

資格なし→初任者研修→実務者研修→介護福祉士と進むにつれて平均給与が高くなっています。

資格 月給 年収換算 介護福祉士との差(月給)
介護福祉士 328,720 3,944,640
介護職員初任者研修 300,510円 3,606,120円 −28,210円
実務者研修 307,330円 3,687,960円 −21,390円
保有資格なし 271,260円 2,607,120円 −57,460円

参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省(p.182)

無資格で介護職に従事している方、これから介護職に従事しようと考えている方は、介護福祉士の取得を目指してみると、給与アップによるモチベーションの維持にもつながるでしょう。

介護福祉士取得後のキャリアパスモデル8選

介護福祉士の資格は、介護業界では唯一の国家資格であることから、取得後のキャリアパスについて悩まれている方も多いのではないでしょうか。

しかし、介護福祉士を取得してからのキャリアパスは、実はたくさんあります。

介護業界はもちろん、専門知識やスキルを活かして、社会福祉や医療の分野でもキャリアを積むことが可能です。

ここからは、介護福祉士を取得した後のキャリアパスを、目標別に8つご紹介します。

  • 介護職をさらに極めたい方
    ・認定介護福祉士
    ・介護支援専門員(ケアマネージャー)
  • 責任者やマネジメントの立場を目指したい方
    ・サービス提供責任者
    ・チームリーダー,部長
    ・管理者,施設長,運営,経営管理
  • 仕事の幅を広げたい方
    ・生活相談員(ソーシャルワーカー)
    ・看護師,理学療法士,作業療法士などの医療関連資格
  • 独立開業

介護職をさらに極めたい方

認定介護福祉士

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格です。

認定介護福祉士とは、高齢化や要介護人口の増加による利用者ニーズの多様化や高度化に対応するために、質の高い介護実践技術、介護職の指導・教育など幅広い役割を担う介護福祉士として、2015年に設けられた民間資格です。

民間資格ではあるものの、厚生労働省への説明と了解を経て設立されたもので、5年以上の実務経験やチームリーダーとしての経験、養成研修(全22科目)の修了など、認定までには多くの条件が定められています。

認定介護福祉士の認定を受けるまでの流れについては、以下をご確認ください。

1.前提条件(受講要件)

  • 介護福祉士の資格を有していること
  • 介護福祉士資格取得後の実務経験5年以上
  • 介護職員を対象とした現任研修の100時間以上の研修歴を有していること
  • 研修実施団体の課すレポート課題または受講試験において一定の水準の成績を修めていること(免除の場合有)
2.養成研修受講

  • 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類(13科目)
  • 認定介後護福祉士養成研修Ⅱ類(9科目)
3.認定介護福祉士 認定申請書提出

  • 認定申請書を提出
4.認定証の交付

  • 機構による審査を経て認定証を交付

5.認定介護福祉士 認定・登録手続き

  • 認定証受取・登録申請
6.登録完了

  • 認定介護福祉士登録証交付
  • 認定介護福祉士登録名簿掲載

参考:認定介護福祉士になるためには|一般社団法人 認定介護福祉士 認証・認定機構

設立されて間もないこと、認定条件のハードルが高いことなどにより、公式HPによると2022年10月27日時点での認定介護福祉士は100名ほどとなっています。

しかし、今後も利用者ニーズが高水準を維持もしくは上昇していくとみられる現代においては、よりその存在は大きく貴重なものとなることが予測されます。 詳しくは、認定介護福祉士認証・認定機構の公式HPをご確認ください。

介護支援専門員(ケアマネージャー)

介護支援専門員は、「ケアマネージャー」「ケアマネ」とも呼ばれ、利用者や利用者の家族の状況や希望をもとに、介護サービスの利用計画であるケアプランを作成したり、地域や施設との連携を行う者とされています。

特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム、介護療養型医療施設、その他複合型サービスの事業所などに所属し、主に利用者の方のケアプラン作成を行います。

介護支援専門員になるには、介護福祉士を含む保健医療福祉分野での実務経験が5年以上必要です。

介護支援専門員実務研修受講試験の合格、実務研修の課程を修了することで、介護支援専門員証の交付を受けられます。

ケアプランの作成合格率は10〜20%程度で、難関とされているため、介護の現場でも非常に貴重な存在であり、介護福祉士からのキャリアアップ目標としても人気の資格です。

責任者やマネジメントの立場をめざしている方

サービス提供責任者

サービス提供責任者は、訪問介護において、ケアマネージャーが作成したケアプランをもとに、より詳細な「訪問介護計画書」を作成します

主に訪問介護事業所に所属し、訪問介護計画書の作成を行うとともに、地域や医療との連携、介護スタッフの指導、介護福祉士としての訪問介護実務なども行います。

サービス提供責任者は、介護福祉士の資格を取得または介護福祉士実務者研修を修了する必要があるため、介護福祉士の資格を活かしつつキャリアアップを図ることが可能です。

チームリーダー・部長

介護の現場では、無資格や介護職員初任者研修のみ修了したスタッフなど、さまざまな経歴を持つスタッフ達が一丸となって質の高い介護サービスの提供を目指していく必要があります。

介護職のなかで唯一の国家資格者である介護福祉士は、そんな介護の現場でのリーダーや部署の長として、メンバーを管理・指導していく役割も担います。

施設や事業所によって、役職の名称や権限は変わりますが、現場のリーダーとしての実務経験は、上位資格の取得や転職の際にも役立つはずです。

管理者・施設長・運営・経営管理

施設長や、介護施設の運営側(運営企業の本部など)に回ることも選択肢の一つです。

事業所によってそのルートは異なるものの、提供するサービスの変革や質の向上について、より高い地点から関与できるため、現場スタッフとは異なるやりがいを得られたり、経営や経理の知識を身につけられたりします。

就職や転職の際は、施設の本部や運営企業におけるキャリアアップについても、採用担当者に確認しておくことがおすすめです。

仕事の幅を広げたい方

生活相談員(ソーシャルワーカー)

生活相談員とは、ソーシャルワーカーとも呼ばれ、介護サービスを必要とする人が可能な範囲で自立した日常生活を遅れるように、相談や援助、施設・地域・医療などとの連絡調整・連携業務を行う仕事です。

生活相談員になるには、基本的に以下のいずれかの資格が必要です。

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 社会福祉主事任用資格

上記の資格を、キャリアパス構築の観点も含めて新たに取得することもおすすめですが、自治体によっては介護福祉士の資格・実務経験が生活相談員としての資格要件になっていることもあります。

東京都の例
生活相談員の資格要件(上記3資格以外の要件)

  1. 介護支援専門員特別養護老人ホームにおいて、介護の提供に係る計画の作成に関し1年以上の実務経験を有する者
  2. 老人福祉施設の施設長経験者
  3. 老人福祉施設や事業所において、通算1年以上の実務経験を有し、介護福祉士の資格を有する者
    参考:通所介護及び短期入所生活介護事業所における 生活相談員の資格要件について|厚生労働省

生活相談員の主な業務はその名の通り「相談」に応じ解決策を提案し、利用者を援助することです。

介護の現場における身体的な負担や、スタッフ間の人間関係などがネックになっている方にとっては、生活相談員として新たなキャリアを始めてみるのもおすすめです。

看護師・理学療法士・作業療法士などの医療関連資格

看護師、理学療法士、作業療法士などは、病院や医院に勤務するイメージが大きいかもしれませんが、介護施設における需要も増加しています。

介護福祉士としての経験や専門知識を活かしながら、医療関連の専門知識も持ち、実務で看護やリハビリ指導のスキルを身につければ、より幅広い観点から利用者を保護・支援することが可能です。

資格の取得は、大学・短大・養成学校・専門学校などで指定の課程を修了する必要がありますが、介護職として他にはない専門性を備えたい方や、将来医療関係のキャリアへ進みたい方にはおすすめです。

独立・開業

独立して介護施設を開業することも立派なキャリアパスです。

介護業界で唯一の国家資格である介護福祉士としての専門知識や実務での経験を踏まえて、自身が利用者にとって必要なサービスはどんなものかを考え、1から作り上げていきたい人におすすめです。

開業するには、介護の知識だけでなく、経営・経理・人材採用など多くの分野を勉強し、実践しなければなりませんが、知識や経験の幅が大きく広がることは確かでしょう。

まとめ

介護福祉士のキャリアパスについて、詳しく解説してきました。

想定以上に、多様な道が開かれていると感じた方も多いのではないでしょうか。

これから介護福祉士の資格取得を目指される方は、その後のキャリアパスや自身の目標なども考えてみることで、試験対策や実務におけるモチベーション維持やスキルアップにもつながるでしょう。

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