介護福祉士・社会福祉士・ケアマネージャーの違いは?介護・福祉関連職を徹底解説!
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目次
介護業界・福祉業界の中で活躍する資格に「介護福祉士」「社会福祉士」「ケアマネージャー」があります。
それぞれの名前は知っているものの、その仕事内容について詳しく説明できない、という方も多いのではないでしょうか。
本記事ではそれぞれの仕事内容や給与面、キャリアプランの違いについて、詳しく解説していきます。 これらの資格取得を検討している方は、ぜひご確認ください。
介護福祉士・社会福祉士・ケアマネージャーの特徴と違い
介護・福祉業界で活躍する資格として、介護福祉士の他にも「社会福祉士」や「ケアマネージャー」が挙げられます。
これらの資格における仕事内容や役割については混同されやすいため、介護・福祉業界を目指されている方はしっかりと押さえておきましょう。
3つの資格の違いを簡単に表現すると、以下のようになります。
- 介護福祉士:実際に介護サービスを提供する、現場のプロ
- 社会福祉士:介護だけでなく児童・障がい者・低所得者など日常生活に困っている人の相談を受け、解決案を提示する
- ケアマネージャー:介護を必要としている人の悩みに応じて介護の計画を立てる
介護福祉士とケアマネージャーは、福祉の中でも介護に特化しており、社会福祉士はより幅広く福祉業界に貢献するイメージです。
それぞれの資格について、詳しくみていきましょう。
介護福祉士の仕事・給料・キャリア
“介護福祉士資格は、介護に係る一定の知識や技能を習得していることを証明する唯一の国家資格です。介護の世界には資格がたくさんありますが、介護福祉の専門職である介護福祉士が唯一の国家資格です。”
引用:介護福祉士とは|公益社団法人 日本介護福祉士会
介護福祉士は主に、特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設で実際に介護サービスを提供しています。
国家資格保有者として、無資格者を含めた介護士チームのリーダーとして指導や業務の管理なども行うことがあります。
厚生労働省の調査によると、介護福祉士の平均月収は328,720円(月給・常勤の場合)、年収換算で約394万円となります。
( 参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.182)|厚生労働省 )
介護福祉士は介護施設などの現場で実際に介護サービスを提供しますが、より平均給与が高い社会福祉士やケアマネージャーへのキャリアパスもあります。
また、介護の現場においてさらに地位を固めてキャリアを積みたい場合、「認定介護福祉士」の資格を取得するのもおすすめです。
介護福祉士のキャリアパスについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
社会福祉士の仕事・給料・キャリア
社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」において「専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整、その他の援助を行うことを業とする者をいう。」と位置づけられています。
つまり、介護に限定されず、身体上・精神上の障がいがあったり、低所得やDV、虐待などにより日常生活に支障をきたしている人を援助し、自治体や介護、医療などの様々なサービスと連携する仕事です。
厚生労働省の調査によると、社会福祉士の平均月収は363,480円(月給・常勤の場合)、年収換算で約436万円となります。
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.182)|厚生労働省
社会福祉士には「認定社会福祉士」や「認定上級社会福祉士」などの上位資格を取得したり、「精神保健福祉士」「介護福祉士」「ケアマネージャー」などとのダブルライセンスで市場価値を高めてキャリアアップする手段などがあります。
ケアマネージャーの仕事・給料・キャリア
ケアマネージャーは「介護支援専門員」の別名で、要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者とされています。
ケアマネージャーは国家資格ではなく、各都道府県が管轄している公的資格です。
各都道府県が定める受験資格を満たす者が、介護福祉専門員実務研修受講試験に合格し、その後介護支援専門員実務研修を修了し、登録を完了すると資格を取得できます。
ケアマネージャーの給料は社会福祉士とあまり差はなく、平均月収は362,290円(月給・常勤の場合)、年収換算で約435万円です。
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.182)|厚生労働省
ケアマネージャーにも、その後のキャリアアップの道はあります。
主任ケアマネージャー、認定ケアマネージャーなどの上位資格を目指す、もしくは介護福祉士や社会福祉士とのダブルライセンスを取得し、市場価値を高めるのもおすすめです。
介護福祉士と介護士の違いは?
「介護福祉士」と「介護士」違いが気になる方も多いのではないでしょうか。
一番大きな違いは、国家資格の有無です。介護福祉士は、介護関連の資格の中でも唯一の国家資格です。
一方で介護士は、介護福祉士を含めた、介護に従事する人の総称を表します。つまり、無資格でも特別養護老人ホームやデイサービスなどにおいて、介護業務に従事している場合は「介護士」となります。
介護福祉士は、介護の国家資格保有者として専門知識を活かして実際に介護を行ったり、介護チームのリーダーとして業務や技術の指導を行うなど、介護サービスを提供する上での責任者としての役割を持ちます。
介護福祉士 | 介護士 |
---|---|
「介護福祉士」の国家試験に合格した者 →介護チームのリーダーとして業務・技術の指導、介護サービスの責任者としての役割を果たす。 |
介護施設や介護サービスなどにおいて、介護に従事する人の総称 →無資格で介護に従事する人も含む |
介護福祉士・社会福祉士資格はケアマネの試験に有利
ケアマネージャーになるには、各都道府県が定めた受験資格を満たし、介護福祉士専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了後、登録を完了する必要があります。
ケアマネージャーの試験(介護福祉士専門員実務研修受講試験)の受験資格は都道府県によって異なりますが、介護福祉士や社会福祉士の資格と一定の実務経験があれば受験資格を満たせるケースもあります。
例えば、東京都では、介護福祉士・社会福祉士を通算して5年かつ90日以上従事した経験があれば、介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格を得られます。
参考:令和5年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験|公益財産法人東京都福祉保健財団
このように、介護福祉士や社会福祉士の国家資格を持っていれば、ケアマネージャーへのキャリアへ進むやすくなるでしょう。
社会福祉士とケアマネージャーはどっちが上?
社会福祉士は国家資格であり、ケアマネージャーは都道府県が実施する公的資格であることから、社会福祉士が上だという意見もあるようですが、ケアマネージャーになるには社会福祉士よりも資格取得に長い期間がかかります。
結論、社会福祉士とケアマネージャーは、どちらが上、などということはなく、役割や仕事内容が異なりますし、連携して仕事をすることも多々あります。
〈仕事内容(おさらい)〉
ケアマネージャー | 社会福祉士 |
---|---|
介護だけでなく高齢者、低所得者、DVや虐待など、日常生活においてさまざまな問題を抱えている人に対して相談や支援、適切な相談先への連携を行う。 | 介護を必要とする人の状況や悩みに応じて介護計画(ケアプラン)を立てる専門家であり、主に介護の分野に特化して業務を行う。 |
ケアマネージャーが要介護社のケアプランを立てて、社会福祉士が自治体や医療機関との連携を担当するなどの役割分担がされることもあります。
もちろん、両方の資格を持っていれば要介護者の支援における一連の業務が、滞りなく行え、キャリアの構築も繋がるため、ダブルライセンスを取得するのもおすすめです。
介護分野を深めたいなら介護福祉士・ケアマネージャーがおすすめ
介護の分野において専門性を高め、キャリアを積みたいと考えるのであれば、介護福祉士もしくはケアマネージャーの資格を取得するのがおすすめです。
とはいっても、介護福祉士を取得してから社会福祉士の資格を取得したり、社会福祉士からケアマネージャーを目指したりと、考えられるキャリアモデルは多岐にわたります。
高齢化や要介護人口の増加が進むなかで、介護福祉士・ケアマネージャー・社会福祉士等、介護・福祉業界の人材の需要が高まることは容易に想像できるでしょう。 ご自身のやりたいことや収入面などを総合的に考え、キャリアの設計を行うことが重要です。
まとめ
介護・福祉業界にて活躍する3つの資格について解説しました。
それぞれ、資格の取得方法や仕事内容は異なりますが、社会の中で、日常生活を通常に送れず、支障をきたしている方、悩みを抱えている方を支援するために密接に関わりながら仕事をことも多くあります。
それぞれの資格について理解を深めた上で、ご自身が理想とするキャリア像を叶えられるのはどのような働き方なのかについて、今一度考えてみてはいかがでしょうか